発売まであと1週間となったポケモンカード強化拡張パック『ダークファンタズマ』の収録カードリストが公開された。
今回はその中で新たに収録が決定したカードの一部を紹介することにする。
ジバコイルVSTAR
技「マグネグリップ」は自分の山札からグッズを2枚サーチできる非常に有用な効果を持つ。
2枚集めて強力な効果を発揮する「クロススイッチャー」や「クロスシーバー」を簡単にサーチできるのはかなり魅力である。
「次のターンこの技は使えない」等のデメリットもないので、この技さえ使っていれば、手札が事故って展開が止まってしまうということはなくなるだろう。
火力も180ダメージとポケモンVMAXを2発で倒せる威力を持っており申し分ない。
現環境で採用率が高い「オリジンパルキアV」なら、弱点を突いてワンパンで倒すことも可能だ。
代わりにエネルギーが3枚と少し重いが、この技の効果と威力を考えれば納得できるだろう。
VSTARパワー「エレクトロスター」は相手ベンチ2匹に90ダメージを与えることができる。
『Pokemon GO』のパックで発売される「ミュウツーVSTAR」のVSTARパワー「スターレイド」であれば、相手ポケモンV全員に120ダメージなので、比較するとこちらはダメージ量が低く、2匹までしか狙撃できないという点が目立ち下位互換に見られてしまうが、代わりに「ジバコイルVSTAR」はポケモンVに限らず、ベンチであれば全てのポケモンが対象であるという利点がある。
ポケモンVに限らなくて良いということは、まだ進化しきれていないHP90以下のたねポケモン、進化1ポケモンを狙撃し、気絶させるのが有効な使い方だろう。
勿論、倒しきれずベンチに逃げられてしまったポケモンVなどに追い打ちをかけるのも理想的な使い方だ。
同じ雷タイプの「ライチュウ」を採用すれば、VSTARパワー使用以降で220ダメージという火力になる「きりふだスパーク」をメインとして戦うという手法も取れる。
「エレクトロスター」は雷エネルギー2つという軽さで使うことができるので、素早く「きりふだスパーク」の条件を整えつつ、それ以降は「ライチュウ」を準備するために「マグネグリップ」でグッズをサーチしてくるという運用が可能だ。
ジバコイルV
「ひっぱりじりょく」は相手のベンチポケモンを指定して呼び出せるので、実質毎ターン「ボスの指令」を使えるようなものである。
ダメージ量は少ないが弱点計算はされるので、HPの低い雷タイプを弱点とするポケモンを引きずり出せれば、そのまま気絶させることもできる。
ベンチのポケモンを守る特性を持つことで有名な「マナフィ」も、引きずり出して弱点込みでワンパンで倒すことができる。
何より、相手のベンチポケモンを呼び出せるのはやはり協力で、時間稼ぎがしたいのであれば、相手のまだ育ってないポケモンや、特性を使うためのみでベンチに出しているポケモンを引きずり出して、相手に攻撃をさせないように妨害することができる。
「ガラル鉱山」で逃げるコストを重くすれば、より嫌がらせが強化されるだろう。
効果が優秀なこの技は「ジバコイルVSTAR」になると使えなくなってしまうのが惜しい。
「メモリーカプセル」を持たせてでも使い続けたい技だ。
「スピリットビーム」は相手バトル場のポケモンに90ダメージ、相手のベンチポケモン2匹に30ダメージが与えられる。
複数体攻撃できる代わりに、それぞれに与えられるダメージ量は低くなっており少し使いづらい印象がある。
ベンチに与える30ダメージもダメージ量が低すぎて、倒し損ねてベンチに逃げられたポケモンのとどめを刺すのも難しい。
また、「ひっぱりじりょく」があるので、ベンチに逃げられたところで簡単にバトル場に引きずり出すことは可能なので、1つ目と2つ目の技の相性があまり良いとは言えない。
ラブトロスV
特性「あいのしゅごしん」のおかげで、超エネルギーを付けた「ラブトロスV」以外のポケモンは相手の特性の効果を受けなくて済む。
例を挙げるなら、「インテレオン」の「クイックシューター」や「ブラッキーVMAX」の「ダークシグナル」の効果を防ぐことができる。
防げるのは特性のみで、グッズやサポートは避けられず、「ガラルマタドガス」の特性「かがくへんかガス」も回避できないので注意すること。
「ブロッサムテール」はトラッシュから超エネルギーを2枚までベンチのポケモンに付けることができる。
さらに付けられたポケモンは、このカードの特性で相手の特性から守ってくれるので一石二鳥だ。
戦いながらも、ベンチを育てることができるのはなかなか優秀で使いやすい。
『Pokemon GO』のパックで収録される「ミュウツーVSTAR」の「サイコパージ」は超エネルギーをどんどん消費していく技なので、このカード組み合わせると相性がいい。
かがやくハガネール
「エナジーストリーム」はトラッシュから鋼エネルギー2枚までこのポケモンに付ける効果だ。
2つ目の技「フィニッシュブレイク」は3エネルギー必要で少し重いなので、次のターンに「フィニッシュブレイク」を使う準備ができるので相性がいいと言えるだろう。
そして、その「フィニッシュブレイク」が驚く効果を持っており、自分の山札が1枚になるように上からトラッシュし、トラッシュしたエネルギーカードの枚数だけ30ダメージ追加するという内容になっている。
山札が残り1枚になるので、この技で確実に勝負を決めるという最後の最後で使う技だろう。
火力はエネルギー枚数に応じて上がるので、デッキに採用している枚数に依存する以上、一概には言えないが、デッキのほぼ全てをトラッシュするとなると程度の火力は見込めるだろう。
山札にエネルギーカードを蓄えておく必要があるので、「エネルギーリサイクル」を使えば、それだけで210ダメージを保証できる。
また、万が一この技で決められなかった場合は、デッキ切れで負ける可能性が爆発的に上がるので、山札のカードを増やすという意味でも「エネルギーリサイクル」必須だろう。
そのほかにも「ふつうのつりざお」や「クララ」は山札にエネルギーを戻せるので、「エネルギーリサイクル」と同様に山札枚数増加と火力増加の2つの役割を担ってくれる。
決まれば魅力だが、決めきれなかった場合に帰ってくるリスクが大きすぎるので、メインアタッカーとして使うのはいくら何でも難しすぎるだろう。
それでも、もしメインとして使いたいのであれば、このカード専用のデッキを構築する必要がある。
「ウルガモスV」の「さかまくほのお」や、「ヒスイイダイトウ」の「みたまのぼり」を使えば、トラッシュのエネルギーを全部山札に戻しながらダメージを与えることができるので、「かがやくハガネール」の「フィニッシュブレイク」とは確かに相性がいい。
問題は毎ターン、これらのモンスターと「かがやくハガネール」を入れ替えるほどの機動力を出せるかということと、多色タイプのデッキになるのでデッキ事故が心配という点だ。
どのポケモンも倒されずに、毎ターンポケモンを入れ替えて、エネルギーカードをトラッシュと山札を行き来させ、事故を起こさない運用にさせる必要があるので、非常にプレイングが忙しくなる。
また、「かがやくハガネール」がルール上1枚しか採用できない以上、サイドに落ちた場合どうしようもないので、保険となる「ヒスイのヘビーボール」は必須になるだろう。
ヒスイヌメルゴン
特性「はがねのおやど」は鋼エネルギーを付けている自分のたねポケモンは、相手のポケモンVからの技のダメージを防いでくれる防御効果である。
たねポケモンであればよいので、かがやくポケモンや、ポケモンVにもこの特性は適用される(ポケモンVMAX、ポケモンVSTARは除く)。
HPが高めの傾向にある自分ポケモンVが、相手のポケモンVからの技を受けないだけで相当場持ちがよくなるだろう。
そのうえ、高い火力で殴ることができるので、戦線を維持しながら安定して攻めることができるのは魅力だ。
「ジュラルドンV」と組み合わせれば、ポケモンVからの技のダメージを防ぎつつ、技「ワイルドブレイカー」とスタジアムの「エイチ湖」で、ポケモンV以外のポケモンから受ける技のダメージも-50軽減され非常に硬くなる。
鋼エネルギー1枚付けるだけで特性が適用されるので、鋼タイプ以外のデッキでも利用できそうな汎用性の高さがあるので有用性は高い。
クロバット
注目すべき点は2つ目の「クリティカルバイト」だ。
この技で相手のポケモンを気絶させれば、確定で3枚のサイドカードを取ることができ、非常に強力だ。
ベンチのポケモンにも攻撃できるので、逃げた相手ポケモンに追い打ちして倒すこともできる。
非常に魅力的な効果を持っている分、ダメージ量は30と非常に低くなっており、何かしらで火力を上げないと、このカードで相手ポケモンを倒すのは非常に困難だろう。
必要エネルギーも3つと重く、2進化ポケモンであるため準備に時間がかかる。
その代償を受けてでもこの技で相手ポケモンを確実に倒す道筋が立てられるなら、採用する価値はあるだろう。
「ガラルサニーゴ」の「おしつけさいせい」を使えば、相手のベンチにポケモンVを残りHP30の状態で呼び出すことができるので、「クリティカルバイト」射程圏内でに入るので相性が良い。
問題は、「ガラルサニゴーン」も進化ポケモンなので、「クロバット」の2進化も含めると準備するのに時間がかかり、事故りやすくもなるので、プレイヤーの運用スキルが求められる。
アルセウスフォン
自分の山札の一番上のカードを見て、望むならサイドのカードと交換することができるグッズである。
次に山札から引くカードを確認することができるので、ある程度戦略を立てやすい。
もし必要のないカードであれば、サイドカードと交換して、次に引くカードの期待値を少し上げられる。
山札からカードを引くことができるカードがあるならば、その前にこのカードを使っておくのが効率的な使い方だろう。
さらに相性の良いカードを挙げるなら、サイドカードの中身を確認できる「シャクヤ」だろう。
「シャクヤ」で予めサイドカードの内容と位置を把握しておけば、このカードでサイドカードと交換したとき、より欲しいカードを手元に持ってこられる確率がかなり上がる。
他のコンボとしては「ヤレユータン」の特性「さるぢえ」で手札1枚を山札の上に戻してから使う方法だ。
山札に戻すカードは、サイドカードにあるときに効果を発揮する「ドリームボール」や「トレジャーエネルギー」が良いだろう。
サイドカードと入れ替えた後、カードの場所は変わらないので、次にサイドカードを取るとき確実に入れ替えたカードを取ることができるのも強い。
野盗三姉妹
相手の山札からグッズをトラッシュさせる妨害系のサポートカードである。
グッズは試合の展開力を上げたり、自分を優位な戦況に持って行くために必須なキーカードとなるものが多いので、トラッシュからグッズを回収できる手段がなければ、相手の展開力に大きく抑制をかけることができる。
相手が「シマボシ」などでグッズを山札の上に戻したときなどは効果覿面だろう。
しかし、運任せでこのカードを使うのであれば、最悪の場合1枚もトラッシュさせずに終わってしまう場合もある。
また、1ターンに1枚しか使えないサポートカードであるため、相手の妨害のためにサポートカードの制約を受けるのは少し重く、このカードで相手のグッズをトラッシュできなかった時の反動は大きい。
ポケモンを倒してサイドを取り切って勝利を目指す健全なデッキではなく、相手に妨害を頻繁に仕掛けるような嫌がらせデッキや、相手のデッキ切れを狙って勝利を目指すデッキであれば、採用価値はあるだろう。
ちなみに細かいルールではあるが、相手の山札から5枚見るとき、そのカードを相手は見ることができないので、山札に戻されたカードは相手に知られることはない。
まとめ
「ジバコイルVSTAR」のグッズを2枚サーチできる技も魅力だが、今回はどちらかというとネタ的な効果を持ったカードが多かったような気がする。
山札を残り1枚まで削り切る「かがやくハガネール」、サイドカードを最低でも3枚まで取れる「クロバット」、自分の優勢を捨てて相手の妨害に徹底する「野盗三姉妹」など、デッキの組み方次第で活躍しそうなカードが多く、新しいデッキを構築するためのいいアイデアを得られたかもしれない。
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